卒業研究最終発表のスライドを作っていて得た小さな知見
こんにちは
はじめに
僕は先日,卒業研究の最終発表を終えてきました.
その時のスライドを作っていて得た知見を少しメモ的に書きます.
背景
卒研発表の一週間ほど前,ゼミ内での発表練習がありました.
卒研発表で与えられる時間は8分でした*1が,実際に発表してみたところ12分かかりました.
発表内容とスライドを削らなければいけません.
これをどう削ったかというのが今回の話です.
置かれている状況
- 僕は卒業研究でいわゆるDeep Learning,その中でも画像を対象とした畳み込みニューラルネットに関する研究を行っていた
- 僕は筑波大学情報学群 知識情報・図書館学類(以下klis)に所属している
- klisには画像に関する研究をしている人はほぼいない.Deep Learningについても同様
つまり僕は,自分の研究に必要な予備知識をほとんど持っていない人達に対してこの研究を発表しなければならない,ということになります.
ただ一般的にはある程度自分のいる学類(学科)の専門に沿った研究をしているでしょうし,聴者もその分野に関係する人が大半でしょう.
おそらくは僕の置かれている状況のほうがいくらか特殊だと思うので,一般的な卒研発表ではあまり役に立たないかもしれません.
とはいえ卒研発表以外でそういう状況はよくあると思うので,そういった時の参考になれば.
実際にどう削ったか
どう削っていくかの試行錯誤の部分は結構忘れてしまったので,実際にどういったところをどういった理由で削ったかだけ挙げていきます.
- スライドから"Deep Learning"の文字を全て消した
- 文字を入れたら説明しなければならない.
- よく考えたら畳み込みニューラルネットのを理解するのにその外郭のDeep Learningの説明をする必要は無いなと思った
- 同様に,畳み込みニューラルネット以外のニューラルネットに関する記述も全て消した
- "確率的勾配降下法","誤差逆伝播法"に関する記述を全て消した(2016/01/17 16:00頃追加)
- 自分で定義した数式以外を全て消した
- 既存の技術について,どのような計算が行われているかの説明をするには数式を出すのが最も正確かつ一意に伝わって良いと思っていたが,そうでもないかと思った
- 自分の専門外で出てくる数式をいきなり見せられても,それが何を意味しているのかを理解するのは難しいと思う(発表中はどんどん話が進んでいくので特に)
- 専門内なら,直接は知らなくても似たような数式を見たことがあるということは多いと思われるのでおそらく心配はない
- したがって計算に関しては基本的に具体的な説明はせず,抽象的に「つまりこういうことをしている」といった説明だけにしておくのが良いと思った.
- ただし自分で定義した数式に関しては研究の成果なので,ちゃんと載せた
結果的にどうだったか
- 早口だったがとりあえず8分以内には収まった
- 中間発表の時よりは質問が来た
- 中間の時はほとんど質問が来なくて質疑の時間が途中で切られたので,ああほとんど理解されてないんだなあと悲しくなっていた
- とはいえ中身までガッツリ踏み込んだ質問は来なかったのでまだちょっと悲しい
- 先生に中間発表よりわかりやすかったと言ってもらえた
- 僕にとっては一番の救いだった
- ただ質問で「色々やってて頭のなかで整理できてないんですが〜」みたいなことを言われた
- これは多分結果の部分に関してのコメントなので,結果を削るのはちょっと難しく,単純に説明の仕方を工夫したほうが良さそうだと思った
結果として削り方自体は悪くなかったかなと思ってます.
気付いたこと
- 聴者に基礎から理解させる必要はない
- 特に今回の場合のような,専門外の分野の人が多い場所では
- 時間に制限のある場では尚更
- 基本的には抽象的な話で進める
- 具体的な話はどうしても必要なときだけ
おわりに
これから卒論提出,卒研発表をする人も多いと思います.
卒業が掛かっているので気負いすぎてつらい時もあると思いますが,やることを見失わないようにしてください.
応援してます.
また,もう1月も後半ですが,この記事は卒研 Advent Calendar 24日目の記事として登録しています.
卒研 Advent Calendarまだまだ空いてるのでネタがあればどんどん投下していってくれると嬉しいです.