ぼくのそつろんしっぴつかんきょう
吾輩はB4である,第一稿はまだない
こんにちは,現実逃避をしているやまじゅんです.
この記事は卒研 Advent Calendar 2015 10日目の記事です.
みなさん,卒論を書くときはやWordなど人によってさまざまなものを使っていると思いますが,ここでは僕が今卒論を書くのに使っている環境をご紹介します.
ぼくのかんきょう
僕はMac OS Xを使っているので,紹介する環境はMac向けのものになります.
また,Mac OS Xは最新バージョンのEl CapitanになったときにTeX周りでいろいろあったので,古いTeXを使っている人でこれからEl Capitanにアップデートする予定のある人は気をつけましょう.
さて,僕がで卒論を書くときに使っているのは以下のツールです.
BasicTeX
Macで動くTeXで有名なのはMacTeXですが,BasicTeXはその軽量版です.
MacTeXをインストールするとTeXを扱うのに便利なパッケージやGUIソフトがついてきますが,今の環境では使わないので軽量版のBasicTeXを使っています.
Latexmk
LatexmkはTeXのコンパイルを便利にしてくれるソフトです.
TeXは図の参照や参考文献を入れると複数回コンパイルしないと出力でちゃんと参照番号が表示されなかったりします.
Latexmkはそこらへんをうまいことやって一回の実行で必要回数のコンパイルを行ってくれます.
さらに編集しているTeXファイルを監視して,変更があったら自動でコンパイルする機能もあります.
便利なのでぜひ使いましょう.
Skim
SkimはPDFを開くプレビューアプリです.
また,開いたPDFファイルに変更があったら開いたまますぐに反映してくれる機能があります.
これとさっきのLatexmkを組み合わせると,TeXファイルを保存したら自動で即コンパイル&即表示,という最高のTeX編集環境ができあがるわけです.
最高の卒論執筆環境を作る
さて,上で説明をしたのでここからは実際に上の環境を作る手順を紹介します.
とはいっても数個コマンドを打つだけで入ってくれるのでそんなに身構える必要はないです.
homebrewのインストールから書いていきますが,既にインストール済みの物があれば適宜飛ばしながら進めてください.
インストールはターミナルでコマンドを実行して進めていくので,最初にMacのターミナルを開いておいてください.
Homebrewのインストール
まずはMacの優秀なパッケージ管理アプリ,Homebrewをインストールします.
ruby -e "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/master/install)"
これを実行すればオッケーです👍
Homebrew-Caskのインストール
次はHomebrew-Caskのインストールです.
Homebrew-CaskはMacのGUIアプリケーションをHomebrewで管理するためのものです.
これもコマンド一つ
brew install caskroom/cask/brew-cask
でオッケーです👍
BasicTeXのインストールとか
次は今インストールしたHomebrew-Caskを使ってBasicTeXをインストールします.
brew cask install basictex
インストールが完了したらPATHを追加しておきます
echo "export PATH=/Library/TeX/texbin:$PATH" >> ~/.bash_profile
bash以外を使ってる人は適宜読み替えてください.
これの後に一回ターミナルを再起動しておきます.
次にTeXのパッケージマネージャtlmgrの更新と日本語日本語環境,latexmkのインストールです.
sudo tlmgr update --self --all sudo tlmgr install collection-langjapanese sudo tlmgr install latexmk
順番に実行していきましょう.
管理者権限が必要なので,パスワードを求められたらPCログイン時に使用するパスワードを入力してEnterを押します.
Skimのインストール
Skimは公式からdmgファイルをダウンロードしてきてインストールしても良いんですが,どうも最新版にはバグがあって自動でファイルの変更を反映してくれないっぽいです.
Homebrew-CaskからインストールできるSkimはちょうどそのバグがないバージョンなので*1,そこからインストールします.
brew cask install --appdir="/Applications" skim
もしPermissionなんとか言われたら頭にsudo付けて実行してみましょう.
--appdir="/Applications"
はアプリケーションをインストールするフォルダを指定しています.
ローカルにインストールしたい場合は外してbrew cask install skim
とすると,skimは~/Applications
にインストールされます(ここはよくわからなければ無視して下さい).
Latexmkの設定
Latexmkは使う前に設定をしておかないといけません.
nano ~/.latexmkrc
を実行しましょう.
するとファイルの編集画面に入るので,以下のように書き換えます.
#!/usr/bin/env perl $latex = 'platex -synctex=1 -halt-on-error'; $latex_silent = 'platex -synctex=1 -halt-on-error -interaction=batchmode'; $bibtex = 'pbibtex'; $dvipdf = 'dvipdfmx %O -o %D %S'; $makeindex = 'mendex %O -o %D %S'; $max_repeat = 5; $pdf_mode = 3; $pvc_view_file_via_temporary = 0; $pdf_previewer = "open -ga /Applications/Skim.app";
書き換えたらCtrl + o
→Enter
で保存してCtrl + x
で終了します.
ただし,Skimをインストールするときに--appdir="/Applications"
を付けなかった場合は,最終行の
$pdf_previewer = "open -ga /Applications/Skim.app";
を
$pdf_previewer = "open -ga ~/Applications/Skim.app";
にしてください.
以上で最高のTeX環境の構築は終了です.
使い方
使うのは簡単です.
ターミナルでTeXファイルが置いてあるディレクトリに移動して,
latexmk 〇〇(TeXファイル名)
とするだけです.これで必要な回数コンパイルされてPDFファイルが出力されます.
また実行時に
latexmk -pvc 〇〇(TeXファイル名)
とすることで,TeXファイルに変更があった時に自動でコンパイルしてPDFを更新するようにしてくれます.
ここで吐き出されたPDFファイルをSkimで開いておけば,コンパイルしてPDFが更新された時に自動的にそれを反映して表示してくれます*2.
おわりに
というわけで,快適な卒論執筆環境が完成しました.あとは好きなだけ論文を書くことができます.
今回紹介した環境はあくまでぼくの場合ですので,気に入らない所があればどんどん改良していってください.
以上,卒研 Advent Calendar 10日目の記事でした.
卒研 Advent Calendarは人集まってなくてまだまだ空きがあるので,みなさんぜひ書いていってください.